管啓次郎『狂句集』(左右社)

風の強い小学校のグランドで息子のソフトボールの練習を見ながら読了。面白かった。読んでいるあいだに校庭の大木の大枝が折れて落ちてきた。

 

明解な満月狂気の鏡をひとつ割り

(シュール。)

らっこの毛皮がボディ無きまま踊ってゐる

アルトーかしら。)

「未開」といふが開けていいことあったのか

(ほんとですね。)

再起せよ世界はきみを待っているかも

(わはは。)

あいうえお順にならぶことばのインプロヴィゼーション。軽やかで広く、ときに深い。

あとがきを読んでひらめいた。

ドーレ、ドーミ、ドーファ、ドーソ…二音の音程をモチーフに即興できるな。意味はあとからついてくるのだ。やってみようか。あ、まずピアノの練習か。