TARO LOVE展

 ようやく腰もよくなった。雨まじりの日曜日の午後、渋谷の西武デパートの展覧会を覗きに行った。「岡本太郎と14人の遺伝子」と副題がついてる。岡本太郎といえば、3月までは井の頭線に乗り換えるときにいつも『明日の神話』を見上げていたものだ。あれを見て元気をもらって仕事場にいくのだ、と同僚だった美術教師が言っていたっけ。
 元気いっぱい、アイディアいっぱいの美術展だった。山口晃の「YAMAGUCHIYA ORIENNALE」が笑えた。「アート」は見事に宙づりにされ、アートの枠組みさえもパロディの素材になってしまう。そこに成立するメタ・アート。《吹き替え》も面白かった。なんでも素材になるんだなあ、と感心しながら見入ってしまう。青山悟の刺繍絵は、縫うという時間が布に織り出され新鮮な説得力。上田順平、グロすぎる、素敵。風間サチコの風刺もすごい。どっかで履きちがえてるよな、なんだか可笑しいね。思いがけない出会いの午後だった。