2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧
吉川一義訳岩波文庫版『失われた時を求めて』第12巻は第6篇「消え去ったアルベルチーヌ」を収める。パリから出奔したアルベルチーヌの突然の死というプロット展開にはいささかの違和感(都合がよすぎる展開?)を禁じ得なかったが、時間とともに恋人を忘却し…
国学院大学文学部のオンライン・コンフェランスを聴講した。非常に刺激的で情報量豊かなレクチャーだった。クッツェー翻訳、研究の第一人者であるくぼたのぞみさんは、アフリカを単一的に括るのではなく、つねに複数のアフリカをイメージすべきだと提言され…
夏休みのメヒコ展のあとオクタビオ・パス『孤独の迷宮』を読んだ。記憶が風化する前に書き留めておく。メキシコという土地に去来した様々な民の関係のなんたる複雑さ。スペイン人の到来は、アステカの支配下にあった諸民族にとっては「解放」に見えたが、そ…