2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ペレ――ハワイの神話

日曜出勤で仕事をしたあと、渋谷のサラヴァ東京へ。楽しみにしていたAYUO&管啓次郎の音楽劇「ペレ――ハワイの神話」、予想どおり大入り満員である。タヒチからやってきてハワイ島プナの火山地帯を司る女神ペレとその妹であるフラの女神ヒイアカ、フラの達人…

EddieIzzard & 『豚と軍艦』

久しぶりに参加したWC研、原さんのホストでまず1962年生まれのイギリスのスタンドアップ・コメディアン、エディ・イザードのパフォーマンス、"Dress to Kill"。ヒトラーからアメリカまで「帝国主義」を笑いのめす。女装もなんかおじさんっぽくて笑える。これ…

エメ・セゼール『ニグロとして生きる』

エメ・セゼールについての貴重な文献を読了する。3部構成で、第1部はフランソワーズ・ヴェルジェスによるセゼール晩年(2004年)のインタビュー。詩人として、政治家として、植民地主義と戦いつつ海外県という現実を引き受けて生きたセゼールが自身の生涯を…

ボヘミアの響き

オーケストラの演奏会なんて何年振りだろう。松戸でチェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団を聴く。弦はいぶし銀の響き。1曲目はスメタナの『わが祖国』より「ボヘミアの森と草原から」。次がウクライナの若いピアニストを迎えてチャイコフスキーのピア…

ラファリエール講演会

飯田橋の日仏学院でラファリエール氏の講演会を聴く。めちゃめちゃ面白かった。文学はファンタスムだと開き直る態度がすがすがしい。「二グロ」をはじめとしてスキャンダラスな表現を次から次へと繰り出すのは、クリシェを消尽させようとする戦略である。ま…

沖至

入谷、なってるハウスで、フランス在住の伝説的なフリー・ジャズ・トランペッター沖至さんの演奏をはじめて聴く。高木幹晴(ds)、栗田妙子(pf)、瀬尾高志(bs)のトリオに林栄一(as)との2管フロント編成。1部は45分ほどの切れ目のないフリー・インプロビゼーシ…

『島の水、島の火』

管啓次郎の待望の第2詩集である。自然のエレメントへのまなざし。いや、求められるのはただ観るだけではなくそれを体感すること。そこから「詩」ははじまるのだから。「私の詩は私をつらぬく地、水、火、風の残響」(p.85)。地水火風の流動とともに震動する身…

インビクタス

チケットを頂き、クリント・イーストウッドの『インビクタス』(2009)を観る。ラグビー映画だった。舞台は1994年の南ア共和国。大統領就任直後のマンデラが低迷中のラグビー・チーム「スプリングボクス」を応援し、その活躍に白人と黒人の融和を賭ける。ス…

アイデンティティとランガージュ

午後、日仏会館で開催されているアジア・フランコフォン大学の講演会に出かけた。「アイデンティティとは何か」という問いに対してもっともスキャンダラスで魅力的な解答を提出する作家の一人、ダニー・ラファリエール氏の基調講演を聴く。そのあとり・カヤ…