2007-01-01から1年間の記事一覧

行為にpoesieがなければ窒息してしまうだろう。 家からちょっと先まで出かけるときであっても、 見慣れた風景のなかであっても、 そこにいつもpoesieを捜し求めるだろう。 それは、 ほんのわずかな変化の察知や、 とりとめもない夢想のかけらに過ぎないもの…

音楽を聴きながらパソコンに向かってSoleil de la conscienceを訳読しつつ残りわずかな2007年が 一日また一日と過ぎ去っていく。今日はMUSEのBlack Holes & Revelations(2006)が 目の前のスピーカーから流れている。なんというミスマッチな...。 これは生…

J.M.クッツェーの朗読会に出かけた。これを機会に2度目のブッカー賞を取った『恥辱』を読み終え、今は『少年時代』という自伝的作品にとりかかっている。緻密なストーリー・テリング。しばらくの間マイ・ブームになるだろう。今日は最新作Diary of a Bad Ye…

一昨日の夜、神奈川県民ホール・ギャラリーで多和田葉子&高瀬アキDuoを聴く。圧倒的である。2人はもう数年間コンビを組んで数えきるないほどのパフォーマンスをこなしているとあって、息もぴったり。ジャズを発想の中心として、しかしジャズにとわられず、…

昨日は「スイス=ブラジル1924――ブレーズ・サンドラール、詩と友情」に行って来た。直前に、19世紀前半にスイスからアメリカに渡り、カリフォルニアで大農業帝国を築いたヨハン・アウグスト・サッターを題材にした小説『黄金』(生田耕作訳)を読んだ。これ…

昨日はグリッサンの読書会。Faulkner,Mississippiを読み進める貴重で充実した時間。神楽坂の宵もまた楽し。 8月になってからも家のなかの片付けやらPC周りの整備やらであっという間に時が過ぎ去っていく。 先週の木曜日に、ジョー・ジョンストン監督の『遠い…

先週の土曜日、アンリ・カルティエ=ブレッソン展に行く。5月に子供が生まれ、どこへも行けず家に閉じこもって過ごす夏。感覚の飢餓感が高まっているせいか、竹橋から北の丸公園の蝉時雨を聴きながらニ、三分炎天下を歩くだけで、強烈に夏を感じる。 最終日の…

シルヴィー・ジェルマンの『マグヌス』を読んだ。久しぶりに心に深く響く読書だった。ナチス党員の夫婦に育てられ、やがて自分が彼らの本当の子供ではないことに気づき、強制収容所に勤務していた医師である育ての父を憎み、「自分の出自」というアイデンテ…

荻原克哉氏の個展に行く。テンペラ画である。物憂げな表情の女性の半身が描かれている。その引き締まった表情の何たる豊饒さ。知性を誇る広い額。柔らかくまなじりを下げる眼は永遠のメランコリーを湛える。とりわけ強い意志を示す鼻筋に釘付けにされた視線…

フランスの次期大統領はサルコジに決まった。日本でもフランスでも、政治の流れはことごとく、自分はこうなって欲しいな、と思うのとは正反対の方向に流れていく。がっかりすることばかりが続く。 最近読んでいるサルトルだが、「唯物論と革命」(1946)…

気温が上がり、各地で夏日を記録したそうだ。久しぶりに車を動かす。ガソリンを入れ、洗車してもらい、走り回っていろいろと用事を済ませる。車のなかでヨッフム/ドレスデン国立管によるブルックナーの第2交響曲全部とキース・ジャレットの弾くショスタコヴ…

とあるシンポジウムに関係する仕事がひと段落した。翻訳とは難しいものだ。結局のところ、原語での読書量の少なさを痛感させられた。でも自分の時間は限られているのだから、できる限りのことをやっていくしかない。そのシンポは「知識人」がテーマであった…

東京マラソンのあいだ天気は大荒れだったが、午後になって青空が現れた。車で久々に笹目橋を渡り荒川のほとりで夕昏を迎えた。乱舞する雲間に太陽は重そうに沈んでゆく。ダイナミックな空間の広がり。ぼくはこの場所を何度となく訪れた。寒い朝に、猛烈に暑…

昨日から今日にかけて、ウィルス対策ソフトの入れ替え、メルアド変更、その通知などで右往左往。でもようやく新しい通信環境が安定した。やれやれ。午後、家から近くの寺まで散歩する。正月気分の、しかしがらんとした商店街を通り抜け、日蓮宗のその寺まで…

まだ咳がひどいのだが、1週間以上も家のなかに閉じこもっているのもそろそろ限界。今日は妻を連れてドライブに出かけた。車のなかでモーツァルトのホルン協奏曲のカセットを聴いた。ホルンはデニス・ブレイン。野太い音はとても安定感がある。モーツァルトの…

2007年が始まった。 新年とともにブログをスタートしてみようと思う。 使い方もまだよくわからないし、何を書くのかも 決まっていないが、とりあえず始めてみよう。 去年の26日あたりから風邪で寝込んでしまった。 まだ咳がひどいけれど、ようやく回復の兆し…