フランスの次期大統領はサルコジに決まった。日本でもフランスでも、政治の流れはことごとく、自分はこうなって欲しいな、と思うのとは正反対の方向に流れていく。がっかりすることばかりが続く。
  最近読んでいるサルトルだが、「唯物論と革命」(1946)という論文のなかにこんなフレーズを見つけた。「観念論と唯物論とは共に現実を消滅させる、前者はものをなくしてしまう故に、後者は主体性をなくしてしまう故に。」(矢内原伊作訳) 素敵な言葉だな。
  GWの5月2日、中央線沿線の倉岳山から高畑山へ、前道志の尾根を歩いた。鈴ヶ尾山から先はエアリア・マップに道は記されていなかったのだが、赤布とかすかな踏み跡を見つけたので、地図と磁石とにらめっこしながら、それを辿って朝日小沢上に降りた。久々のヤブ尾根歩きの何と楽しいことよ。
  管理されたシステムから常にアウトするjazzのimproviserのように、主体性のtrace(踏み跡)を辿る野生を失わないようにしたいものだ。