2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

チェスター・ハイムズの亡霊2

シリーズ7冊目の『夜の熱気の中で』(原著1966年、篠原慎訳、角川書店)になると、ハーレムの描写が少し変わって来る。麻薬の問題がクローズアップし、提示される問題が次第に深刻さを増してくる。1964年の公民権法の制定後、キング牧師の非暴力路線と一線…

チェスター・ハイムズの亡霊1

もはや旧聞に属しますが、6月8日の図書新聞(3113号)にダニー・ラフェリエールの『ニグロと疲れないでセックスする方法』の書評を書かせていただきました。よろしければご覧ください...。ところでラフェリエールを読んでいて気になったのがチェスター・…

セゼール生誕100年

6月26日はセゼールの生誕100年である。セゼールといえば一般的には「ネグリチュード」の詩人であるが、白水社の雑誌『ふらんす』6月号に組まれた「エメ・セゼール特集」の3つの論考は、21世紀にセゼールを読む意義を改めて示している。 中村隆之氏によれば…

AYUO新境地!

久しぶりにAYUOさんのソロ・パフォーマンスを聴きに三軒茶屋のKENにでかけた。満席である。第1部はフレッド・アステア、第2部はニジンスキーへのオマージュ。ニジンスキーの狂気の手記をテクストにした2部を語れる資格はたぶんまだ僕にはないと思う。だが、…

keith Jarrett Trio/ Somewhere

キース・ジャレット・トリオの新譜を聴く。2009年のスイス、ルツェルンでのライブである。高齢の3人、5月にこのトリオの「日本最終公演」があることを知った時にはチケットはとっくに売り切れていた。夜、スピーカーの前に座ってじっくり聴いた。往年のパワ…

アフリカのこれから

アフリカ51カ国の首脳が参加して横浜で開かれていた第5回アフリカ開発会議(TICAD5)が昨日閉幕した。このところ新聞にはアフリカに関する記事があふれた。その多くは「貿易相手国としての経済的将来性」を語る。そういえばこのまえ『アフリカ・パラダイス』の…