2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ケベック詩選集(立花英裕他編訳、彩流社)

詩を読むことは旅をすることだ。19世紀後半から21世紀の現在まで時代の流れに沿って紹介される36人の詩人のことばの断片を追いながら、2001年の夏に訪れたケベック・シティを思い出した。ページを繰るたびにフランスとはまったくちがったカナダ東部の自然や…

アチュベとラトゥール

正月恒例の志賀高原スキーのあと、5年ぶりにインフルエンザにかかってしまった。熱はすぐ引いたがしばらく外出できず、アチュベ『崩れゆく絆』(粟飯原文子訳、光文社文庫)を読了。読了後しばらく何とも言えぬ幸福感を味わった。アフリカ文学の第一人者によ…

マルティン・ブーバーと猫

冬の季節になるとティーンエイジャーと読む英文のレベルが上がって、面白いものがちらほら現れる。一昨年はマイケル・ポランニーのPersonal Knowledge(1958)の序文の引用に出くわし、おお懐かしいと、ちくま文庫版『暗黙知の次元』を読み返したのだった。「…