2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

言葉の翼に乗って――ホメロス『オデュッセイア』(下)

新年度の雑事に忙殺されて、不覚にも読書会を失念してしまった。読書会があった日付に感想文を置くことにする。『オデュッセイア』下巻はオデユッセウスのイタケ―への帰還に焦点が絞られてゆく。息子のテレマコスとともに、妻ペネロペイアに言い寄りオデュッ…

雑誌で読み解く20世紀―――共同討議『思想』3月号

3月は注目したい雑誌二点が刊行された。ひとつは昨年亡くなったブリュノ・ラトゥールを特集した『現代思想』3月号。もうひとつは『思想』3月号で、雑誌・文化・運動--第三世界からの挑戦--と題されている。今日は後者の執筆陣が登壇する講演会に、明…

ECMの真実 ピーター・バラカン×稲岡邦彌

永らくトリオ・レコードでECMの日本盤リリースを手掛けてきた稲岡さんとピーター・バラカンさんのトークを聴きに神楽坂の赤城神社に駆け付けた。司会進行は仲野麻紀さん。それにしても赤城神社には度肝を抜かれた。なんとモダンな神社であろうか。神社に「モ…

Ayuo 色を塗られた鳥、時空を舞う

杉並公会堂小ホールは満員だった。すばらしいコンサートだった。前半は足立智美作曲、弦楽四重奏曲第42番――打楽器と声を伴う『蝶と猿とあくびする』。パヴェル・ハースに倣って、という副題がついている。浅学にしてパヴェル・ハースの音楽は聴いたことがな…