2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

テレジン収容所の児童画展

宮地楽器ホール地下1階市民ギャラリーにて、妻とテレジン収容所の子供たちが描いた絵画展を見る。テレジンはチェコの1万5千人のユダヤ人の子供たちが収容されたアウシュビッツへの中継所である。見ているうちに辛くて胸が苦しくなった。子供たちが描いたのは…

オレリア・ミシェル『黒人と白人の世界史』

立命館大学国際文化研究所プロジェクト、西成彦先生主催の「ジェノサイド×奴隷制」第2回研究会にオンライン参加させていただいた。前半は中村隆之さんによる本書の解説とディスカッション。中村さんが解説されているように、本書は奴隷制/人種問題を考察す…

プルースト読書会 vol.13

吉川一義訳『失われた時を求めて』第13冊は第7篇「見いだされた時」の約三分の二を収録。ついに「私」は小説家になってゆく。第一次大戦の時代を経て老いてゆくシャリュリスの描写が味わい深いが、男爵の登場を導く街の描写もまたよい。たとえば196頁のパリ…

池内晶子展

浅間山を散歩してから府中美術館で池内晶子展を見る。とてもよかった。マテリアルは、赤く染めた糸。薄暗い展示会場内に張り巡らされ、幽く揺れる糸の群れ。目を凝らさないとみえない。作品を観るためには鑑賞者の集中力が必要だ。しかも糸の張り具合は入場…

管啓次郎『PARADISE TEMPLE』

砂浜のある海が見たくなった。圏央道をひたすら南下して相模川河口へ向かう。そこには平塚漁港がある。打ち寄せる波の響きがずどんずどんと腹に響く。ああ海だ。広大なエネルギーだ。傾きかけた太陽のもとでウェット・スーツに身を固めたサーファーが波に斜…

岡本太郎美術館へ

今日で冬休みもおしまい。昼飯のあとふと思い立って生田緑地へ車を飛ばす。Uが幼い頃一度訪れたことがあるが、そのときは公園内を歩いただけだった。それ以前にも何回か来たことはあるが、はたして美術館に入っただろうか。岡本太郎は作品以上にその発言が挑…

志賀高原の村次郎

年が明けてから強い寒気が入った。志賀草津道路を登ってゆくと次第に吹雪になり、圧雪路の上にどんどん新雪が積もってゆく。氷点下12度。時折ホワイトアウトとなり、フォグランプを頼りにようやく対向車を認識する。四駆にスタッドレスでも、うっかりすると…