2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

フォークナー・メモ1

スノープス3部作を読むことにした。まず『村』The Hamlet(1940)から。田中久男訳、冨山房のフォークナー全集15巻によった。フォークナーの描くアメリカ南部のプア・ホワイトたちの農村社会は、歴史的には南北戦争の敗者の世界。時代設定は1902‐8年頃。スノー…

Keith Jarrett / Rio

音楽はi podやカーステレオで聴き流すことがほとんどの日常生活。でも敬愛するキースの新譜だけは例外で、最初は必ず家のメインのシステムで聴くことにしている。スピーカーに向かって集中して音楽を聴く時間がない日々、昨年11月に買ったCD2枚組のソロアル…

柴又にて

柴又にて勤め先の部署の打ち上げ。なんとか1年を乗り切った。帝釈天から矢切りの渡しまで散歩(残念ながら楽しみにしていた渡し船は動いていなかった)してから創業220年の川魚料理の老舗「川甚」へ。鉄筋ビルだけれど古風な雰囲気でなかなかよかった。川甚…

チェルノブイリから26年

渋谷のUPLINKXでゲイハルター監督『プリピャチ』(1999)を観る。1986年のチャルノブイリの事故から12年後、発電所から4kmのところにある街、プリピャチを描くドキュメンタリー。かつては原発関係の仕事で栄えたがいまは廃墟と化した立ち入り制限地区に自主…

発表会

目白でカルミナ・ミュージック・アンサンブルのワークショップとミニ・コンサート。13世紀フランスの作曲家アダム・ド・ラ・アルの音楽劇『ロバンとマリオン』より3声の歌曲をみんなで。その他にIrish Jigでピアノを弾き(途中ちょっとブギウギ風にした。ア…

ファイン・アートな午後

午後、休暇を取って美術展3連発。 まずは銀座、宮坂画廊にて荻原克哉個展。テンペラの新作はいつになく明るくポップな(失礼!)色彩感が楽しい。春が近いなあ。ポップなんて軽い言葉を使ってしまったが、彼の精密で繊細な線描と色合いの上品さは比類がない…

ティム・インゴルド講演会

駒場18号館にてティム・インゴルドの「生=線 linesを巡って」と題する講演会を聴く。ベルグソニストであるインゴルドは自らチェロを弾き、パウル・クレーを好む。人類学者としての「物質」に対する態度を基本に、哲学やアートも視野に収める。学者であると…

カリブからの風

3つのテクスト。ひとつはダニー・ラファリエール「生きることは、書くこと」(『環』2012 winter vol.48)、立花英裕先生によるインタヴュー。1953年、ハイチ・ポルトープランス生まれでモントリオール、マイアミで創作活動をする「亡命」作家。大学に行かず…