AYUO新境地!

久しぶりにAYUOさんのソロ・パフォーマンスを聴きに三軒茶屋のKENにでかけた。満席である。第1部はフレッド・アステア、第2部はニジンスキーへのオマージュ。ニジンスキーの狂気の手記をテクストにした2部を語れる資格はたぶんまだ僕にはないと思う。だが、その言葉の流れは「意味」ではなく「ダンス」だと思った。ニジンスキーは舞台から去ったあとも書くという行為を通じて踊っていたのではないだろうか。大須賀かおりさんのピアノによるドビュッシーの「沈める寺」がふかく身体にしみこんだ。第1部はガーシュインコール・ポーター・ソングブック。すごくよかった。タキシードを着てスタンダード・ナンバーを歌うAYUOさんには意表を突かれた。特に最初のNight and Dayは大好きな曲。優美な下降ラインを描くコードと旋律の半音階的進行と、短3度上への緊張感あふれるダイナミックな転調がかっこいい。言わずと知れたチャーリー・パーカーの名演を筆頭にヘレン・メリルやらチック・コリアやらいくつもの演奏が思い出されるけれど(そういえばキースはこの曲を録音してないな...)、AYUOのダンス付ヴァージョンは斬新で実に魅力的だ。今回は「歌手」としてのAYUOさんの力強いバスの声を堪能したが、昨年の11月には長崎で古事記をテーマにしたパフォーマンスでなんとこの曲を歌っている。これがまたすばらしいのだ。
http://www.youtube.com/watch?v=LJHrf-EwpVQ
明日の朝は仕事がいつもより早いのでパーティはでられなかったが、次回のライブは7月7日。アルトージャン・ルイ・バローが取り上げられる。楽しみだ。