2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

中上健次『異族』ーー路地から世界へ

管啓次郎研究室主催、世界文学輪読会で初めて日本語作家を読む。講談社文芸文庫で900頁を越える『異族』は僕にとって中上小説への初アプローチである。この大作を通読した意味はとてつもなく大きかった。未完の遺作という点を差し引いたとしても、たしか…

周美玲『流麻溝十五号』を観る

早起きして9時より新宿シネマートで映画を見る。日本統治のあと、蒋介石による白色テロの時代、台湾沖の小島、火焼島=緑島の「新生訓導処」に収容された三人の女性「政治犯」のさまざまな「抵抗」の姿を描く物語。英語タイトルはUntold Her Story。三人のコ…

亀井岳『ヴァタ~箱あるいは体』を観る

渋谷で妻と寿司を食べて20時よりユーロスペース。楽しみにしていたVataを観る。「楽器は箱、その中には記憶がある」というキャッチがいい。まさにその通りだと思う。身体=楽器(マダガスカル語で両方ともvata)であり、生きることとはまさにvataを演奏する…