2016-02-23から1日間の記事一覧

滝口悠生『死んでいない者』

一人の老人の通夜に集まる親戚の人間模様が淡々とつづられる。そのありさまはまるで、弔いという儀式がひとつの神経細胞の中心で発火し、その光が周囲のシナプスへと連係されていく一瞬が浮かび上がるかのようだ。その死がなければ決して確認されないであろ…