ボッティチェリ展

豪華絢爛の「書物の聖母」のチラシにおびき寄せられて(?)、東京都美術館ボッティチェリ展を見る。繊細な描線と表情。師匠のフィリッポ・リッピ、弟子のフィリッピーノ・リッピと比べてもインパクトの差は歴然としている。まったく月並みな言い方だが、ルネッサンス期の装飾美を堪能した。「書物の聖母」「美しきシモネッタの肖像」がすばらしい。15世紀フィレンツェという西洋文化史のひとつのプラトー。同時に「東方三博士の礼拝」に描かれたメディチ家の人物たちを前にして、権力と共生していた芸術制作の運命も再確認した。