エドゥアールへ
マリー・ドゥ・ラ・メール
マリー・ドゥ・ラ・メール
海のざわめきが語った
父の脅威と父の不在のあいだにゆれながら
マリー・ドゥ・ラ・メール
マリー・ドゥ・ラ・メール
不可能な水平線の彼方へ向かう眼差しの果てに
蒸発する蜃気楼の城閣
マリー・ドゥ・ラ・メール
マリー・ドゥ・ラ・メール
流れのほとりにて疾走してゆくものたちを
憂いの眼差しで追うシダの群落
マリー・ドゥ・ラ・メール
マリー・ドゥ・ラ・メール
そのときはじめて人から与えられた方向を見失い
無限の広がりのなかでとまどう河口の水たち
マリー・ドゥ・ラ・メール
あなたの緩やかなオスティナートのメロディは
知らぬ間に、はるかかなたの浜辺で波に洗われる
無数の小石を震わせ、石たちはかすかに
磁気を帯びる