藤部明子さん新作

東京のZEIT=FOTO SALONの『芸術と冒険』展に出品された藤部さんの新作8点を見る。どれもすばらしい。3.11以後を真剣に考えさせるスティルと文章。アリゾナの風景に特に引きつけられる。広大なパースペクティヴのなかに点在する人家が米粒のようだ。自然のなかの人間のちっぽけさを思う。藤部さんの写真には、うつろいゆく日常の断片を鮮やかに掬いあげてそこに物語を定着させ、見る者を引きずり込む強さがある。