恒川邦夫先生講演会

ここ1週間ほど39度を超える熱を出していた息子だが、今朝ようやく37度台に下がった。一昨年の夏休みの悪夢の再現かと思われたがほっと一息。それで午後早稲田へ出かけることができた。恒川先生がご自身の半生を振り返られた、Paul Valéry, Créole, Traduttoreと題された講演会。貴重なお話しをいくつも伺った。ヴァレリー研究の第一人者、クレオール文学の開拓者、すぐれた通訳者であり、フランス語、クレオール語、英語、日本語、中国語といった諸言語を視野におさめ、さまざまな言語運用の経験を持たれる先生の言語論は懐が深い。文学言語の特殊性、言語習得における視覚・聴覚のバランスの重要性など、言語活動のレジスターの広さにあらためて気づく。「自分の表現言語を豊かにするための多言語主義」という言葉には限りない重みがあった。グリッサン翻訳についてのお話しを聴きながら、やっぱりクレオール語をちゃんとやらないとだめかなと思った。うーん...。