凍てついた冬の日が続く。しかし少しづつ日が長くなってきた。澄み切った夜が降りてくる頃、お皿のような三日月の左に、金星がお皿からこぼれた金平糖のように輝いていた。

「世界各地を巡り、芸術はつくるものではなく、植物が生えるようにその土地から生まれるのだと痛感しました。」(掘文子、朝日夕刊)