ブラジルの話

 西麻布のRainiy Day Bookstore & Cafeで旦敬介×港千尋×管啓次郎トークショー。管さんの文庫版『コロンブスの犬』出版記念イベントで、そこに収録された港さんの写真展でもある。80年代、冒険の青春を送った3人の話しは凄く面白かった。同時に自分の80年代を振り返ってどうにも悲しくなった。ここまで歩いて来てしまったのだから仕方がないが。『コロンブスの犬』から抜粋した管さんの朗読はよかった。港さんが、まったくポルトガル語を知らぬままブラジルを放浪したのは驚愕だった。そして、見知らぬ土地にバスで夜到着すると、虫の音がすごく耳についた、という話きいて、まるで自分がその場所にいるような気持になって、はっとした。そう、鈍りきっていた感覚がその瞬間にきりりと引き締まった感じがしたのだ。ブラジルかあ、ぼくには遥かに遠い異郷の地だ。でもバイーヤにはいつか行ってみたいと思う。旦さんが言ってたサルバドール・デ・バイーヤに、いつか行ってみたい。