ジャクソン・ポロック展

午後休暇をとって竹橋の国立近代美術館へ。楽しみにしていたポロック展。圧倒的だった。生誕100年ということで日本で初めての回顧展。1930〜40年代の初期の作品に初めてふれたが、アメリカン・インディアンの強い影響がうかがえる赤色と楔形が特徴的ないくつかの作品が興味深い。1941年の「Birth」は白、青、黒い線が印象的で寸分のすきもなく緊密にかたちが絡み合う充実したコンポジション。そして絵具を垂らす手法を取り入れoverallへと向かった成熟期の作品群を前にして言葉もない。1944年の「赤いグワッシュ」、1950年の「インディアンレッドの地の壁画」、「ナンバー7」...。そこにある「カオス」は、なんと繊細に「構成」されているのだろう。「ナンバー7」はほとんど黒、白、灰色、黄色の4つのラインの対位法的なダンスであり、強烈に音楽的なリズムをぶちまけている。即興されたペインティングの軌跡が燦然と輝いていた。ミニマリスムと対極的な、なんというエネルギー!