『銀河鉄道の夜』 in 渋谷

 5月21日の福島公演とはまた大きく変貌した朗読劇『銀河鉄道』。去年のクリスマス・イブに続いて今年もサラヴァ東京でのパフォーマンスを観る。今日はなんと昼夜2公演。ぼくは15時からの昼の部に入ったが大入り満員。子供連れもちらほら。今日のバージョンは以前にもましてテクストを大胆に刈り込み、ラップ(がんばった!)も織り交ぜながら変幻自在の宮澤賢治。印象はなんというか物語世界が多面的に解体・拡散する一歩手前といった感じだろうか、抽象へ向かうキュビズム絵画を観るような気がした。とても面白い。動の古川日出男、静の管啓次郎、ふわふわした小島ケイタニーラブ、どこかとぼけた柴田元幸、みんないい味出していた。それから日本語と英語の「雨ニモマケズバイリンガル朗読大会は最高(授業ネタとしていただきます!)。しかし、ときとして詩の言葉の端から怒りがこぼれおちた。今の日本の現状に対して。ぼくらはいったいどんなリンゴを川に流しているのだろうか...。
 家に帰ったら息子が「どんなお話しだったの?」とぼくに聞いた。来年はいっしょに見に行こう。来年もやってくださいね、みなさん!