浅草一文&Lupeライブ

 勤め先の仕事の区切りが近づいた。昨日はIさんおすすめの「浅草一文」で部署の打ち上げ。雨まじりの寒い夕暮れ、仲見世通りをみんなでぶらぶら歩くと旅行気分。風邪をひいて体調が今一つだったが、深酒にならずかえって良かった。ねぎま鍋と日本酒で身体があたたまり、一晩ぐっすり寝たらだいぶ体調がよくなった。それで今日は井の頭公園の「宵待草」でLupe Live 「つばめ」を聴く。20時スタート。ArisAのソロ・ユニットを聴くのは初めて。コヨーテの遠吠えのような精霊のようなヴォイスは融通無碍にたゆとい何かを呼び出し何かが降りてくる。ウクレレの刻むリズムに乗るとヴォイスは快適なラインを描いて走り出す。Kimiya Satoの5弦ヴィオラが寄りそってくる。E線を張ってヴァイオリンの音域まで拡張されてはいるが、このユニットではヴァイオリンでもチェロでもなく、まさにヴィオラでなければならない。そして目の覚めるようなLeo Saiのパーカッション。メインはイランの太鼓トンバク。繊細なフィンガードラミングは流れる音楽にさらにいのちの震えをふきこみ、3つのラインは絡み合いながら即興的に進んでいく。グロッケンの端をヴァイオリンの弓でこすって出す音も神秘的。なぜかオンド・マルトノを思い出す。「つばめ」と最後の羊がでてくる歌がとても印象深い。ときどきアフリカになった。詩もいい。ゆったりしたグルーブが広がると、不思議なことに、通り過ぎる井の頭線の音が何の違和感もなくノスタルジックに音楽に混ざっていく。みえないものをみる、きこえないものをきくひととき。奇蹟的。