ヴァロットン展

ヴァロットン展のチケットを頂いたので妻と丸の内の三菱一号美術館まで出かけた。都心に出るのは久しぶりで新鮮だった。三菱一号美術館は明治期の歴史的建造物で2009年に美術館として復元竣工された。ボナールらのナビ派との交流を続けながら微妙に距離をとったフェリックス・ヴァロットン(1865-1925)。日本初の回顧展だそうだ。白黒、とくに黒を大胆に使う版画作品群のインパクトが大きい。マンガチックでカリカチュア的意匠が面白い。油彩画は女の子がボールを追う不思議な構図の〈ボール〉がキリコを思い出させる。「冷たい炎の画家」というキャッチだが、ナビ派独特のシックな色づかいや神秘的な雰囲気と割と俗っぽい人物の表情とのバランスがなかなかに面白かった。過去にオルセーで見ているのだろうが記憶になかった。ゆっくり絵を見てランチをして帰る。くつろいだ昼下がり。