駅を降りて、ずっと気になっていたが足を向けたことのない路地に入ると、見知らぬ風景が広がった。角をひとつ曲がるとすぐに大きな川の岸に出た。ドブ臭さがかすかに鼻を突く。コンクリートの堤防にもたれかかり、大きな水の広がりを眺めた。Nothing is true, everything is living. 小さな神社があった。ガランガランと鐘が鳴り、初老の男性が手を合わせていた。Nothing is true, everything is living. ぱらぱらと雨が降ってきたので、いそいで駅に戻った。もうここに来ることは、たぶんないだろう。