哲学への権利

 明治大学駿河リバティタワーでのシンポ「哲学とは何か?大学とは何か?」を聴講する。西山雄二監督のドキュメンタリー『哲学への権利――国際哲学コレージュの軌跡』は、1983年デリダらがパリに創設した名高い半官半民の研究機関の紹介である。西山さんはこのフィルムとともに世界じゅうで上演&シンポ行脚を行っている。なんという活動力。哲学ととは岩野さんの発表にあるように無条件性がその基本である。誰にでも、問いを立てることができる。問いを立てる行為はいかなる社会的条件からも独立して保障される、それが「哲学」という場所の自己主張なのだ。精神の強度、哲学が磨くのはそれである。ぼくのような緩みきったゴム紐のようなものでも、哲学に触れるとき、精神の強度というものの存在を思い出すことができる。合田さんのヴィクトル・クーザンについてのレジュメも興味深かった。管さんが紹介したゼミの生徒さんによって制作された映像作品は、美術科の生徒たちに見せようと思った。