メディア・アートという場

 本郷の福武ホールで行われた情報学環主催のシンポジウム「メディア・アートとは何か?」に出かけた。石田英敬先生の基調講演に続いて『不完全な現実』を出版した藤幡正樹さんの作品とレクチャー。その後美術評論家建畠晢さんを交えたセッション。藤幡さんが最後に見せてくれたアイルランドを素材にしたGPSとビデオを連動させた映像がとても美しい。「メディア・アートとはメディア状況のクリティックそのものである」「クリティックなしにクリエイションは成立しない」「電子メディアが隠蔽する亀裂(そこに現実の不完全性が露呈する)を常に意識すること」「モノから経験へのシフト」といったテーゼが印象的だった。できたてのほやほやであるベルナール・スティグレールの『技術と時間1』を安く手に入れることができたのもラッキーだった。