エドゥアール・グリッサン死去

 本日午前6時(日本時間午後2時)、パリ15区の病院でマルティニク島出身の詩人、小説家、思想家のエドゥアール・グリッサンが亡くなったことを知る。82歳。遺骨はマルティニクに埋葬されるそうだ。昨年末からかなり容体が悪いとの噂を聞いてはいたが...。机の前で黙とうを捧げる。《全−世界》の想像界を開拓しつづけた強靭な詩学のレゾナンスはさまざまな場所でさまざまな姿をとって広がって行くだろう。ぼくも、その末端で小さな歩みを続けよう。今年の目標は『サルトリウス』を読むこと。想像のアフリカから/へ描線をのばしてみよう。そして、即興について考えること。断片的な時間をつむいで、場所から場所へ渡ろう。語り外しながら。ちっぽけな場所を往還するだけの人生だから、そんな大それたことなどできないかもしれないけれど。