パスカル・キニャール+津島祐子

 読んだことがないがずっと気になっている何人かの作家のひとり、パスカルキニャールの講演会があるというので飯田橋のアンスティチュ・フランセに行ってきた。津島祐子さんがアイヌ民話の仏訳者であることを知った。文学と喪がテーマだったが、「消えゆくこと」の意味について考えさせられた。ある一定時間の経過のにちに「消えゆく」という生命本来の自然な姿。それに対して「消えることのない」原発事故のあとの放射能が提示する時間。津島さんのお話から、人間の物差しの限界を越えてしまった近代の「時間」を抱える現代人について考えさせられた。(ここでも、また。)キニャール氏もブルターニュの反原発運動やルアーブル原子力発電所のお話しをされた。喪失のなかから書くこと。喪失されることができないものの恐怖を認識すること。そして喪失/再生という自然の恵みに気づくこと。文学によって見出される「時間」。パスカルキニャールと音楽。時間がないが近いうちにまとめて読みたい。できればフランス語で。