新しい野生の地 リワイルディング

渋谷アップリンクで『あたらしい野生の地 REWILDING』を見る。マルク・フェルケルク監督、2013年。オランダの首都アムステルダムからわずか北東50kmの海沿いに位置する6000hの自然保護区「オーストファールテクスプラッセン」の生態系の復元を描いたドキュメンタリー。ここは1968年の開拓事業失敗で放置された人工の土地だそうだ。そこに自然界で絶滅した動物種(コニックという馬、アカシカ)を放ち、再野生化に成功した。その保護区の一年を追う、ひたすら美しい映像詩。厳しい冬を生き延びる動物たちの姿が心を打つ。ヨーロッパのど真ん中にこんな野生の園がわずか半世紀で出現するとはなんという驚き! オランダで70万人を動員したといわれるフィルムの日本配給にこぎつけた管啓次郎氏はじめスタッフの努力に敬意を表します。リーフレットも極めて充実。これからの世界の姿を構想するために是非観ましょう。勤め先の同僚やティーンエイジャーたちにも紹介することにした。
 それにしても、こういうフィルムを観ると、やっぱり自分で外に出なければね、と思う。メディアの体験はあくまでバーチャル。映画を観て、野に出よう。自分の時間で自然を経験するために。