高橋理加さんの作品を見にゆく

 子守の一日。仙川のTOKYO ART MUSEUMと仙川アヴェニューへ出かける。安藤忠雄デザインのマンションやギャラリーが連なるアーティスティックな街並みだ。ギャラリーの外で幸運にも高橋さんにお会いできた。途中で買ったあんころモチを食べてからまずプラザ・ギャラリーの展示を見る。高橋さんは紙粘土や牛乳パックの再生パルプなどを素材にまっ白い子供や動物をつくり続けて来られた。ちょっとジョージ・シーガルを思い出させるところもある。一見かわいらしい子供たちだが、よくみると誰もがどこかしら異形であったり何かに取りつかれていたりしている。それらの集団があらわしているストーリーやコンセプトはとても重い。かわいらしさや軽さととてつもない重さ、昏さが同居する。息子は膝をかかえた四角い頭の子供をしきりに食パンマンだと主張する。だがその子供はきっと何かにとらわれているのだ。そのあとミュージアムへ。昨年福島の被災地に出向き撮影された人の気配を失った自然風景の写真、高い放射線量を告げるガイガーカウンターの音、そして白い子供たちの頭部や手を組み合わせたインスタレーションインパクトは切実だった。ゲイハルター監督の『プリピャチ』を思い出す。同時に展示されていたボクシング・ペインティングで有名な篠原有司男さんの絵画は原色の強烈なエネルギー。息子は小高一民さんの巨大マウス(Shelter)がたいそう気にいったようだった。