渡辺貞夫カルテット in 小金井

4時、宮地楽器ホールで渡辺貞夫カルテットを聴く。サダオさんを聴くのはおそらく1987年か88年のマウントフジ・ジャズ・フェスティヴァル以来だろう。1933年生まれのリビング・レジェンドは現在91才である。驚愕のライブだった。出だしこそ音がこもる感じだったが、演奏が進むにつれアルトサックスの音はみるみる艶を増していった。途中で舞台背面の黒いカーテンを開けるように指示を出された。きっとカーテンが音を吸ってしまうのが気になったのだろう。ピアノが小野塚晃、ベースが三嶋大輝、そして竹村一哲のドラムス。竹村さんのドラムスがとりわけすばらしい。このカルテットの要と言ってもいい。ボサノバと4ビートが交錯するプログラミングだったが、バラ―ドのメロディの美しさが印象的だった。2階の左翼席だったので満席の会場がよく見渡せる。ステージ近くのスペースで、ストレッチャーに乗った男性が介護の方とともに聴いていらした。来られてよかったですね。ここのところ殺人的な仕事量でかなり神経衰弱気味な毎日。ジャズを生で聴く土曜の午後は貴重であった。

本日のセットリストは以下の通り(宮地楽器ホールHPより)。2nd stageのラスト、ジョビンの名曲が圧巻だった。

★1st Stage★
1. PEACE   2. BUTTERFLY   3. LAURA   4. MEMORIAS   5. EARLY SPRING
6. FIREFLY  7. BIRD OF PARADISE  8. STELLA BY STARLIGHT    9. LOPIN’

★2nd Stage★
1. WAITING SONG   2. 黒いオルフェ   3. SAMBA EM PRELUDIO  4. I THOUGHT OF YOU
5. IF I SHOULD LOSE YOU  6. I CONCENTRATE ON YOU  7. I'M A FOOL TO WANT YOU
8. CHEGA DE SAUDADE  

☆Encore☆
1. HARAMBEE  2. CARINHOSO

 

 演奏のあと妻と近くの韓国焼肉屋で夕食。ビールを飲みながら焼肉をつついていると、隣の席に若い女性が一人座り、石焼ビビンバを食べていた。給仕の人と朝鮮語で話していた。常連さんかな、きっと母国の味と言葉が懐かしいのだろう。家に帰って、昨日沖縄旅行から帰ったUが土産に買ってきてくれた泡盛を飲みながら、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』にとりかかる。