とある一日

 息子の4才の誕生日。4月から通い始めたシュタイナー系の幼稚園でお誕生日会があった。誕生日を迎える子供の両親は、この日、園児たちと一緒に教室で手仕事をしながら過ごす。つまり「保育参観日」的な側面もある。妻は子供たちのおやつであるパンケーキに自作のジャムを塗って準備する。僕に与えられたのは子供たちが座る木のチビ椅子に紙やすりをかける仕事。最初はひげづらの男に用心していた子供たちも次第に物珍しそうにそばに寄って来て話しかけてくる。自由あそびの時間のあと、お誕生会の「儀式」。誕生日を迎えた子供を抱っこした先生がお話をはじめる。「...小さな天使は、大きな天使から、しばらく地上にいってらっしゃいと仰せつかりました」というくだりで、子供は先生の膝から降りて、少し離れたところに座っている両親のもとに向かう、という設定。ここで苦労の多い子育てを振り返って号泣する母親も少なくないそうだ。息子は照れ臭そうに走ってきた。
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昼から駒場へ。『ユリイカ』に掲載された管啓次郎の詩を読む。すばらしかった。
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夕方から以前の勤め先で、とある講演会の講師として30分の発表。ここ4年間の職業生活の成果を不十分ながら総括する良い機会だったと思う。最近、いろいろなことが、ひと段落していく。