2010-01-01から1年間の記事一覧

オホーツクの幻

今日のWC研、大洞さんのナビで、戸川幸夫原作、久松静児監督の『オホーツク老人』を観る。森繁久彌の演技を初めて見た。20代には夏の大雪や残雪のニセコの山々を歩いたものだ。でも知床半島はまだ行ったことがない。羅臼岳には一度登ってみたい。八甲田や北…

グアムの想い出

新しい時間の区分が始まった。忙しい。夜酒を飲むと30分も机に向かわないうちに眠くなる毎日。でもこのところようやく段取りが整ってきた。3月28日から4月2日に行ったグアムを思い出す。息子のfirst trip abroadだった。北緯13度、マリアナ諸島最大の島グア…

クリスト展

グアムから帰り、滑り込みでChristo & Jeanne-Claude展を六本木の21_21で視る。茨城のアンブレラ・プロジェクトが懐かしく思い出された。亡くなったパートナーのジャンヌ・クロードとクリストは奇しくも同じ誕生日であったことを知る。LIFE=WORKS=PROJECTSと…

旅へ?

明日から5泊6日のグアム旅行。ただいませっせと荷造り中である。しかし息子がまたやらかしてくれた。昨日から洪水のような鼻水を垂らしていたが、今朝から微熱もようで元気がない。室内でごろごろしていたが午後2時頃昼ごはんを戻してしまった。ううむ。去年…

フランコフォニー・フェスティバル

一昨日生徒たちを無事送り出して、仕事はひと段落、4月4日までほぼ2週間の休暇である。休暇2日目の今日は昼過ぎにフランコフォニー・フェスティヴァルへ出かけた。久しぶりの飯田橋日仏学院。朝方の雨もやんで温かくなった。2時半ごろつくとまだ屋台は準備中…

ナラトロジーの冒険

今日のWC研、ダニエラ加藤さんのガイドで、デヴィッド・マッケンジーの『猟人日記Young Adam』(2002)とデヴィッド・クローネンバーグの『スパイダーSpider』(2002)。 1本目はスコットランド出身のマッケンジーが英国のビート作家アレクサンダー・トロッキー…

春近い雪嵐の宵

青山ブックセンターで開かれる管啓次郎×林巧のトークショーに出かけた。管さんのラパ・ヌイの天国的なスライドショーを見ることができて感無量。林巧さんが朗読してくれたマングローブの森の描写もまたすばらしい。静けさが降りてきた。その一節は『マカオ発…

管啓次郎 『斜線の旅』

もしあなたが旅が好きなら、迷うことなくこの本を開いてみていいと思う。もしあなたが観光旅行の虚しさを密かに感じているとしたら、きっとこの本はあなたにサジェスチョンを与えてくれると思う。化石燃料をまき散らすことの上に成立する「外国旅行」。でも…

玉川上水の散歩

吉祥寺のいつもの病院で恒例の人間ドックを終え、ジブリの森美術館から高井戸駅まで歩いた。緩やかな流れに沿って途切れることのない木々や植物のシェルターを辿る。その奇跡的なラインは中央高速と合流する環8付近でアスファルトの暗渠へと消えていった。高…

ふたつの反復

WC研、今日は原さんのガイドで松本俊夫と新藤兼人という異色のカップリング。まずは夢野久作の『ドグラ・マグラ』を映画化した松本俊夫の実験映画。『エクスパンション』(1972年/14分):形の変容のプロセス。『色即是空』(1975年/8分)般若心経の文字が記…

ブルース追加

寒い日が続く。仕事を早目に切り上げて、武蔵野市立吉祥寺美術館にて斎藤真一展を見る。そのさびしく甘美な放浪のビジョンは自分が20才頃の心象風景のひとつであった。1922年生まれの画家が1994年に亡くなっていたことを知った。藤田嗣治と親交を結び、原付…

ブルース2編

2月11日(木)。市ヶ谷の自治労会館へ。フォーラム平和・人権・環境主催の「建国記念の日」を考える集会に参加する。講師の一人、在日2世として奈良の被差別部落に生まれ波乱の人生をキリスト教の信仰によって乗り切り2001年新宿に高麗博物館を開設するに至…

ボルゲーゼ美術館展

東京都美術館でボルゲーゼ美術館展を見る。イタリア17世紀を代表する名門貴族シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿を中心として、ボルゲーゼ家の別荘に集められた美術品は、世界のプライベート・コレクションの頂点のひとつだそうだ。呼び物は何といってもラファエ…

サン=ジョン・ペルス『風』

有田忠郎訳によるvents(1945)、chronique(1960)を読了した。翻訳者の解説にあるように、グアドループ出身のこの白人ベケによるアンティユ文学の存在は、たとえばグリッサンやコンデといった黒人クレオール作家たちにとって目の前に立ちはだかる「難問」であ…

出発――6人のアーティストによる旅

夕方、恵比寿の写真美術館を初めて訪れる。石川直樹さんのガイドによる、充実した写真展だった。尾仲浩二の小さなスナップの連続。放浪の旅へのこだわり。スライドショー「フランスの犬」は音楽のよさもともなって思わず引きつけられた。さわひらきの「small…

キム・ギドクのディープな午後

WC研、今日は韓国の金基徳を2本。『サマリア』(2004)と『受け取り人不明』(2001)。ベルリン映画祭銀熊賞(監督賞)を取った1本目はまぎれもない傑作である。ヨーロッパ旅行の資金稼ぎに売春する女子高生チェヨンとヨジン。チェヨンが性行為をし、ヨジンが…

世界中のアフリカ 2010

6時開演のところ15分ほど遅れて到着したら、新宿のNaked Loftはすでに超満員だった。50人ほどのキャパのところに100人以上がすし詰めとなり、旦啓介さんの朗読に耳を傾けていた。次が管さんのキンケイド『川底にて』朗読。中村和恵さんとの演劇的な朗読は生…

カフカ 『城』

ついに「城」には辿りつけないのだった。執筆中断によって、われわれはゲスルテッカーの家に入ったところでKとともに取り残されるのだ。「城」という官僚システムのまわりに抑圧されたまま蛇行する物語の群。核心部が隠蔽されたまま腹の探り合いが続くコミ…