2013-01-01から1年間の記事一覧

セゼール生誕100年

6月26日はセゼールの生誕100年である。セゼールといえば一般的には「ネグリチュード」の詩人であるが、白水社の雑誌『ふらんす』6月号に組まれた「エメ・セゼール特集」の3つの論考は、21世紀にセゼールを読む意義を改めて示している。 中村隆之氏によれば…

AYUO新境地!

久しぶりにAYUOさんのソロ・パフォーマンスを聴きに三軒茶屋のKENにでかけた。満席である。第1部はフレッド・アステア、第2部はニジンスキーへのオマージュ。ニジンスキーの狂気の手記をテクストにした2部を語れる資格はたぶんまだ僕にはないと思う。だが、…

keith Jarrett Trio/ Somewhere

キース・ジャレット・トリオの新譜を聴く。2009年のスイス、ルツェルンでのライブである。高齢の3人、5月にこのトリオの「日本最終公演」があることを知った時にはチケットはとっくに売り切れていた。夜、スピーカーの前に座ってじっくり聴いた。往年のパワ…

アフリカのこれから

アフリカ51カ国の首脳が参加して横浜で開かれていた第5回アフリカ開発会議(TICAD5)が昨日閉幕した。このところ新聞にはアフリカに関する記事があふれた。その多くは「貿易相手国としての経済的将来性」を語る。そういえばこのまえ『アフリカ・パラダイス』の…

フランシス・ベーコン展

すべりこみセーフ。竹橋の東京国立近代美術館へ。たしか1983年の展覧会も見てるはずだ。ベーコンは1909年にダブリンに生まれた。インテリア・デザイナーとしてのキャリアを積んだのち画家として立つ。1945年頃までの作品は力不足であるとして自ら極力破棄し…

『アフリカ・パラダイス』

「シネマアフリカ2013」が先週の金曜日から始まった。このところいろいろあって、てんてこまいの毎日だが、今日の午後はなんとか時間を空けて渋谷のオーディトリアムに向かう。18時からシルベストル・アムス監督の『アフリカ・パラダイス』(2006)を観る。…

ミュシャ展

チケットを頂いたので家族でミュシャ展を見に六本木ヒルズ52階の森アーツセンターギャラリーへ出かけた。自らすすんで足を踏み入れることの決してないエリアである。しかも最終日前日の土曜日の夕方とあって、芋を洗う大混雑にいささかうんざり。しかし充実…

伊豆の旅

岬への旅はどこかノスタルジックでセンチメンタルだ。三浦半島や真鶴岬、北海道の野付半島、マルティニク島のカラヴェル岬、アイルランド西部の名前を忘れた小さな岬...。海に向かってだんだん心細くなる小経を辿るうちにいつもきまってさまざまな想念が…

お茶の水でジャズを聴く

昨日はWATERRASと名付けられたお茶の水の一角にある再開発地域で行われたJAZZ AUDITORIA 2013というイベントに出かけた。お目当ては渡辺貞夫クインテットの無料室内コンサートだったが、残念ながら抽選に漏れてしまった。野外ステージでビールを飲みながらバ…

Bessie Smith / Back-Water Blues

なんとふたたびインフルエンザになってしまった。今度はB型である。春から急激に忙しくなったので身体がついていかないのかな。先週の水曜日に判明して、あとはずっと家で寝てるしかない。今回はワーグナーを聴く気力もなく、ちょっと前にアマゾンで買ったベ…

uncovering/walking

管啓次郎のuncovering/walking。昨年11月15日にAITでおこなわれた「東京事典」のプレゼンテーション。映像と散文詩のコンビネーション。まちがいなく圧倒的傑作! みるべし! http://tokyojiten.net/presentation/presenter/keijiro-suga

横浜に「つむぎね」を聴きに行く

地下鉄副都心線と東横線が直結したので、家族3人でそれに乗って横浜へ。みなとみらい線馬車道駅下車、目指すはBankART Studio NYK。湾岸の大きな倉庫をアートスペースに改造したものだ。竹芝のギャラリー916を思い出す。曇り空で寒い。会場のそばのカフェで…

高橋理加さんの作品を見にゆく

子守の一日。仙川のTOKYO ART MUSEUMと仙川アヴェニューへ出かける。安藤忠雄デザインのマンションやギャラリーが連なるアーティスティックな街並みだ。ギャラリーの外で幸運にも高橋さんにお会いできた。途中で買ったあんころモチを食べてからまずプラザ・…

サン=サーンスと北アフリカ

ようやく春休みがみえてきた。今日は朝から人間ドック。ここ1,2ヶ月本職の仕事に忙殺されへろへろだったのできっと結果は芳しくなかろうと思っていたが、あにはからんや、ここ3年間で一番よい数字じゃないか(まあ血圧の薬は飲んでるけどね)! 問題あり…

アーネスト・サトウ展

竹芝のギャラリー916でのY.Ernest Satow展、終了ぎりぎりで間に合った。息をのむすばらしさだった。港湾地域の大きな倉庫ビルの6階にあるギャラリー916。広々とした空間の壁面は白いペンキで塗られている。入口から入ってまず視線は、部屋の奥の真正面の壁面…

父と子と...

モデムが故障して1週間ほどインターネットから隔離されたが、ようやく復旧。便利でめんどうくさいバーチャル世界に戻ってきた。今日のWC研は管さんのナビで『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』(2005)、トミー・リー・ジョーンズの初監督作品。ア…

エメ=グリッサント

エドゥアール・グリッサンが死去してから丸2年が経った。あれ、1年ではなかったか、と錯覚するほど時は矢のごとく過ぎ去っていたのだった。命日の今日、中村隆之・星埜守之・今福龍太という3人の語り部によって吉祥寺のカフェ・ズミに引き寄せられた。今年生…

ニーベルングの指輪

先週の火曜日に、十数年ぶりにインフルエンザにやられた。香港A型。今年は大人がずいぶんかかっているそうだ。2日ほど仕事を休み、39℃近くの熱を出しもうろうとして寝ていた。熱が下がると前からもういちど見ようと思ってたワグナーの『ニーベルングの指輪』…

エイミー・ベンダーの映画

今日のWC研はエイミー・ベンダーの『私自身の見えない徴』の映画化作品を観る。原題はAn Invisible Sign of My Own(2000)、管啓次郎訳は2006年に出た。たしかその年、来日したエイミーや管さん、吉本ばななさんらとの夕食会に招かれたのを覚えている。エイミ…

松本峻介展

松本峻介(1912-1948)は日本の近代洋画史に独特な地位を占める画家であるといわれる。生誕100年の今年、大規模な回顧展が世田谷美術館で開かれている。絶対行こうと思って楽しみにしていたがなかなか余裕がなく、ようやく今日足を運んだ。すばらしい作品群…