2011-01-01から1年間の記事一覧

パウル・クレー展

午後、竹橋の国立近代美術館でクレー展を見る。4月からの疲れがどっとでたのか、やたらとだるく、眠い...。今回の展覧会はクレーの創作過程にスポットをあてる趣向を凝らしていて、デッサンを転写して着色する技法、トリミングやコラージュなど画家が多用…

Wilhelm Kempffの映像

台風6号は直角に右折して伊豆諸島に向かっている。とりあえずカレンダー上は今日で仕事が一区切り。夕食後、ケンプのDVDを観る。ベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア・ソナタ」。1964年カナダでTV用に撮影されたものだ。ケンプはキースとともに大好きな…

Jaques Coursil /Trails Of Tears

ちょっと前に買って聞き流していたジャック・クルシルの新盤『涙の道』(2010)をじっくり聴き直しながら今福龍太「ジェロニモたちの方舟」(『すばる』6月号)を読む。そして多くを学ぶ。ジョン・ゾーンの勧めでジャズ・シーンに復帰した第1作がMinimal Bra…

花どじょう

夏休みが近いが、今の部署はこれから仕事の本番。忙しい夏を前に英気を養おうとその部署の5人で浅草の「駒形どぜう」へと繰り出す。営業200年の老舗である。渋谷の店には何度か足を運んだことがあるが、本店は初めてなので楽しみにしていた。のれんをくぐる…

Art Action 3331

午前中プールで泳ぐ。午後、家族を連れて末広町の3331 Arts Chiyodaへ。東日本大震災復興支援「Arts Action 3331」を見る。廃校となった中学校を改修して出現した巨大なスペースに、さまざまな展示がひしめいている。管啓次郎×村山修二郎の「詩×緑画」をみる…

池澤夏樹による菅直人

「今の首相がいいとはいえないが、やめずにがんばってもらいたい。菅降ろしの動きの底には、再生可能エネルギー特別法案を通そうとする動きをつぶそうとする動きがあるようだから」と人に話すたびに、一笑に付されていた。でも今日の朝日夕刊で池澤夏樹もそ…

「フランス文学」の広がり

少し前にもらった明治大学文学部紀要、第114号「特集 変貌する〈フランス文学〉」を読了。管啓次郎のグリッサン追悼詩「島の水、島の火、島々」、そしてハイチ出身でモンレアル在住のダニー・ラファリエールの詩「帰還の謎」(抄)がよかった。ラファリエー…

ことばのポトラック vol.3

11時半に渋谷のサラヴァ東京へ。藤部さんが来てたので同じテーブルでビールとブランチ。あとからカヌーイストの山田さんも。13時開演。震災後、さまざまな言葉が発信されはじめた。そのさざ波は、ためらいながら、あたらしい震動となってひろがっていく。く…

アンフォルメルとは何か

午後早びけして、東京のブリジストン美術館でアンフォルメルを特集した展覧会をみる。20世紀の抽象絵画の流れのなかで、シュルレアリスムの圧倒的な展開を継いで、第二次大戦後にフランスからアメリカへとアヴァンギャルドの中心が移って行く途中にあらわれ…

ジョン・ケージの波

公園通りクラシックスにて、19時半スタートのAYUO and SEASHELLライブ。まずはジョイス研究者でもある神話学者ジョゼフ・キャンベルについてのAYUOさんのレクチャー。そのあと演奏に入り、前半はキャンベルの妻であるコンテンポラリー・ダンサー、ジーン・エ…

カルミナ・ミュージック・ワークショップ

今日は3人。作曲講座。モードを色でイメージする。ひとつのモードないし音列をひとつの色に割り当て、それが変わるとき別の色で書く。白い紙に色ペンで3人ないし4人の演奏用のラインを引き、それぞれのラインがいろんな色の変化を示す。僕には各ラインのなか…

ろうそく灯下の朗読会

表参道のタウンデザインカフェにて19時スタート。普段職場で扱うことを余儀なくされている「制度的」なことばの皮相さにいささかうんざりする身にしてみれば、詩のことばを聴くこの会は砂漠に沁みとおるスコールの恵みだ。詩なんて何の役にも立たないんじゃ…

輪読会

グリッサンの輪読会。一時帰国した中村さんから貴重なANTILLAグリッサン追悼号と論文を3つ頂く。廣田さんに加えてセゼール研究の佐々木さんも参加。なかなかに盛り上がる。グリッサンとベルグソンの親近性を考える。久々に打ち上げに参加、カレーを食べて帰…

『北と南』 vol.2

第2号も充実である。河内君、すばらしいです。仕事特集(東京特集だけど)は相変わらず面白い。大辻都の「レッド・ダート・ブルース」は、作者の持ち味である夥しい固有名が次から次へと小気味よく周到に繰り出されるリズミカルな文体が赤羽団地を拠点とする…

管啓次郎×小池桂一トーク

19時に六本木、青山ブックセンターに駆けつける。仕事のあと気合を入れて来た甲斐のあるお話しだった。アメリカ・インディアンの教え、それは白人の「合衆国・グローバリスム」に回収されない、土地と関係しながら生きる人々の生の姿の意味である。資本主義…

フーコー、震災

石田英敬先生の2本のテクストを読了。L'Herne Foucault収録の《Vent d'Ouest》は日本におけるフーコー受容の俯瞰。フーコーの裾野の広がりと影響を再確認。読んでみたい/読めなかった文献がいくつも浮上してくる...。Le Monde diplomatique, Avril 2011…

管啓次郎×小池桂一『野生哲学 アメリカ・インディアンに学ぶ』

原発事故のあと、私たちは自らの生きる土地と世界をどのように再想像すべきなのか? 『野生哲学』はそのためのヒントを与えてくれる。「都市」に生きるわれわれが失ったものは何なのか? 見えなくなったものは何なのか? 感じられなくなったのは何なのか? …

シャモワゾー『テキサコ』

数日前に読了。原作は1992年。ゴンクール賞。星埜守之訳は1997年平凡社より。フォール・ド・フランス近郊の石油会社のタンクのそばに出来たスラム街テキサコをつくりその場所をベケたちから死守した女闘士マリー・ソフィー・ラボリューの物語。グリッサンが…

キース・ジャレット・ソロ

昨年のトリオで悲しい思いをしたのだが、ソロ公演と聞いてやはり切符を買ってしまった。今回の来日は昨日と今日の2公演のみ。オーチャード・ホールで日曜日というのに19時開演。タッチに往年の粘りはなく、リズムのグルーブ感も影をひそめてしまった。得意の…

とある一日

息子の4才の誕生日。4月から通い始めたシュタイナー系の幼稚園でお誕生日会があった。誕生日を迎える子供の両親は、この日、園児たちと一緒に教室で手仕事をしながら過ごす。つまり「保育参観日」的な側面もある。妻は子供たちのおやつであるパンケーキに自…

作品

前の職場で最後の頃、生徒たちにまじって制作した「フォトグラム」(レンズを使わない長時間感光による写真)がデザイン科のMさんから送られてきた。稚拙な作品に丁寧な梱包をしていただいて恐縮する。展示会の写真や添えられた文章からMさんの情熱が伝わっ…

グアムと与那国

今日はWC研ホスト。1本目はVanessa Warheit "The Insular Empire---America in the Mariana Islands" (2009)、59分。グアムの米軍統治をめぐるTVドキュメンタリー。去年春のグアム旅行のあとに知人から教えてもらったTVドキュメンタリー。チャモロ人からのグ…

老人と海

WC研のプレゼンのために久々にヘミングウェイの『老人と海』を読み返した。福田恒存のあとがきが時代を感じさせて面白かった。「米文学」なんてくくりは今は昔、まして「ヨーロッパ文学に比べて米文学の人間描写の物足りなさ」などをうんぬんする時代(?)…

カルミナ・ミュージック・ワークショップ

箱根旅行の予定が都合で直前中止となり、AYUOさんの即興ワークショップに夫婦で参加した。参加は4名、アイリッシュ・ハープの人とピアノの人がいらした。妻はアルト・ライアーを持参、僕は音楽室のソプラノ・アコーディオンを使わせてもらった。モードについ…

ガード下のチック・コリア

早稲田で久々のグリッサン輪読会。みなそれぞれ仕事の疲労をかかえながら集まって『ラマンタン湾』を2時間読む。立花先生がいれてくれたマテ茶が効いて元気が出た。帰りにJR中野駅で降りたら、ガード下でお洒落ないでたちの若者のバンドがチック・コリアの「…

シュールレアリスム展

今日は仕事のカレンダーでうれしい休日。しかも終日free time!! なんとぜいたくな時間だろう...。午前中は輪読会で担当する『ラマンタン湾』の訳稿にじっくり手を入れる。そして昼前に六本木の新国立美術館でポンピドゥー・センター所蔵作品で構成される…

何が根本的問題か?

4月18日付朝日の世論調査で原発「減らす・廃止」が41%にとどまった。代替エネルギーが提示されないなら原発やむなしと考えている人々がこんなにいるのだ。日本人は我慢強いのか? みな冷静な判断力をもっているからなのか? それとも現象の根源を見据える力…

神隠しとカフカ

今日のWC研、管さんナビでPeter Weir監督『Picnic at Hanging Rock』(1975)を見る。オーストラリア映画のヒット作。1900年の聖バレンタインの日に岩山にピクニックに出かけたアデレード近郊の女子校生と教師の一人が神隠しにあう話。ビクトリア風のヨーロッ…

大渋滞

夕方、車で青梅街道下りを走っていると、突然新中野付近で大渋滞にはまった。いらいらしながら環7との交差点まで1kmほどの距離を1時間。しかしその交差点で渋滞の原因がわかった。ものすごい数の人々が「原発反対」のプラカードを持ってデモ行進していたの…

原発事故に寄せて

このところ目立ち始めた「それでも原発はエネルギーのない日本に必要だ」という論調。事故直後の、あの誰もが食い入るようにテレビ画面を見続けた時期でさえ、知識人や政治経済界のリーダーたちではなく、身近からさえそういう発言を耳にしたとき、信じられ…